年の初めというのは、
なんだか気が大きくなって、
ついつい本も大盤振る舞い。
「んー、自分にお年玉?」
・・・って、なんだかんだ理由をつけて、
いつでも、本は買っているくせに(笑)
では、1月前半の自腹新刊買いの記録を。
*ぺんぺんのお小遣い帳*
「秘密 トップ・シークレット(10)」清水玲子(白泉社JETSコミックス)890円
「LOVELESS(10)」高河ゆん(一迅社ZEROSUMコミックス)580円
「バンビ〜ノ!SECOND(9)」せきやてつじ(小学館ビッグスピリッツコミックス)550円
「とめはねっ! 鈴里高校書道部(9)」河合克敏(小学館ヤングサンデーコミックス)550円
「みみっく(7)(8)」深見じゅん(講談社KCBL)各440円
「数寄です!(壱)(弐)」山下和美(集英社)各880円
「巡る女」山本甲士(中公文庫)620円
今回のピックアップは・・・
『数寄です!(壱)(弐)』山下和美(集英社)
紀伊國屋さんで見つけたものの、最新刊である弐巻しかなく、
思わず、Amazonプライムのおいそぎ便で取り寄せてしまった。
だって、すっごくおもしろそうな匂いがしたんだもん。
そして、その予想は裏切られることなく・・・
というより、思った以上にハマってしまったうえ、
なぜか、大号泣までしてしまう。
全体的には楽しい読み物であるのに。
「どんな本なの?」
と思ったあなたのために、
まずは、ざっくりあらすじ紹介。
サブタイトルは、
「女漫画家 東京都内に数寄屋を建てる」
建築家・蔵田徹也氏との運命的な出会いにより「和」の心に目覚めた山下和美は、
東京都内に一戸建ての数寄屋を建てようと思い立つ。
それは彼女にとっての人生改革プロジェクトであった。
『天才 柳沢教授の生活』や『不思議な少年』で、
人間を描く続けてきた作者が
トラウマと向き合い赤裸々に自分を描き出す、
初のエッセイコミック。
蔵田徹也さんは、
東大そして東大の大学院で数寄屋の研究に没頭し、
悩んだ末に建築会社に入社、
仕事ではビル建築ばかりだが、
土日は数寄屋工房を手伝ったり、
能楽関係の記事を書いたりする、若き
「和」の達人。
能楽師・川口くんに招かれて参加した餅つき大会で、
(川口くんは実は漫画家かわぐちかいじさんの息子さんであった)
彼は
山下和美さんと出会う。
ずっと漫画一筋でやってきて、
「和」に憧れを持ちながら、
「外国人もびっくりなほど、日本文化のことを何も知らない」
ことにコンプレックスを感じていた彼女は、
メル友になった蔵田さんに「和」の教示を受けることに。
「山下和美数寄者(「すきしゃ」)計画」
は、単なる和体験レポートでは終わらなかった!
ずっと仕事場兼住居として暮らしてきた賃貸マンション。
バカ高い家賃を、バカ正直に払っていたのだが、
今の相場が9万円も安くなっていることに愕然とする。
あくまでもバックれる大家に、他の店子と一緒に値下げ交渉をするか、
安い値段で賃貸に出されている隣室を、敷金礼金を払って借り直すか。
「この風景も もういいかな・・・」
そんな彼女の脳裏に浮かんだのは、
格子の向こうに見えるどこか懐かしい景色、
そして、そこに佇む
「数寄者」としての自分だった。
「私に建てられるでしょうか?」
山下さんの相談を受け、それを機会に、建築会社を辞めて、
数寄屋建築家としての独立まで決めてしまった蔵田さんの情熱に、
引きずられるように、どんどん進んでいく数寄屋建築プロジェクト。
だが、山下さんには、
克服しなくてはならない大きな問題が2つあった。
ひとつは、トラウマ。
ひとつは、お金。
改装して住んでいたお気に入りのマンションを、
隣人とのトラブルで泣く泣く手放し、
今度こそ、問題を起こしたくないという思いで施した防音工事が、
逆に乱暴な工事で入居前からご近所に反感を買い、
愛猫が起こしたちょっとした出来事で部屋からは水があふれる。
親から相続した家を売って得たお金も、
たくさんの印税も、
取引銀行に言われるままに購入した投資信託や
一時払い変額年金保険などに化け、気がつけば、元本割れ。
そして、仕事の合間に突如訪れるストレス発散の浪費。
そこには、
「売れっ子漫画家」「ベストセラーを生み出す大先生」
ではなく、
「とにかく、漫画が好き。仕事が好き。」
それだけで生きてきて、
世間に疎いままに悩みを抱えて生きる一人の女性としての、
等身大の山下さんの姿が。
もう、本当に、抱きしめたいほどに愛おしい。
弐巻では、一つずつ問題を片付け、
どんどん進んでいく数寄屋建築。
このまま、順調に完成に向かうのか、と思いきや、
次巻予告を読むと、
かなり大きな出来事が待っていそうな・・・?
そう、3巻には、
昨年3月の、あの地震の時期の出来事が描かれる予定なのだ。
建築途中の家に、どんなことが起こったのか、
かつてない大災害を目にして、
漫画家としての山下さんの心にどんな変化が起こるのか、
非常に気になる。
好きな漫画家さんのプライベートに興味のある人にも、
「和」を愛する人にも、
これから家を建てたい人にも、
心に悩みや迷いを抱える人にも、
おすすめできる汎用性の高い名作にきっとなる、
と心から願って、続きを楽しみに待とう。
◆2011年自腹(新刊)文庫・新書・単行本・・・現在1冊◆
◆2011年自腹(新刊)コミックス・・・現在8冊◆